刑事事件の被害者の方に謝罪したいのですが、どうすればよいでしょうか?
1 被害者様のお気持ち
加害者ご本人が直接被害者様にお会いし謝罪したいというお気持ちは立派なことだと思います。
ご自身がしたことから逃げずに、また、他人任せにせず、責任感があって素晴らしいと思います。
しかし、被害者様の立場からしたら、どうでしょうか。
被害者様の中には、加害者ご本人から直接謝罪してほしいという方もいらっしゃるかもしれませんが、刑事事件の被害者様の場合、多くの方は、加害者のことが怖いことが多いでしょう。
刑事事件になるほどの大きな被害を受けているのですから。
お礼参り(よくも被害届を出してくれたなと脅すなど)かもしれないとおびえているかもしれません。
ご自身の責任感から直接謝罪したいというお気持ち自体はご立派なのですが、被害者様のお気持ちを考慮する必要があるのです。
相手の気持ちを無視して自分の気持ちをぶつけても、うまくいくとは限りません。
2 トラブルになる
被害者様が加害者ご本人を怖がっていなくても、対立している当事者同士が直接お会いになると、トラブルに発展してしまうことがあります。
被害者様からすると、「おいおい、それが謝罪する側の態度か。到底、許せない。」と謝罪を受け入れていただけないこともあります。
加害者ご本人は、「こんなに謝っているのに、なんだその態度は。いくら被害者だからといって調子に乗るなよ。」というような雰囲気になることもあります。
お互いに対立している当事者同士が直接お会いすると、人間ですから、感情的に、つい、カッとなることもあります。
その結果、名誉棄損罪、侮辱罪、脅迫罪、恐喝罪になることもあります。
胸倉をつかんだら暴行罪ですし、ケガさせたら傷害罪です。
罪名が増えたら、本末転倒でしょう。
加害者ご本人と被害者様だけがお会いになって、脅した、脅してない、言った、言ってない、手を挙げた、挙げてない、など余計にこじれてから弁護士にご相談に来られる方は実際におり、正直、示談の難易度が高いです。
3 被害者様の連絡先
満員電車内の痴漢や盗撮の場合、被害者様と連絡を取ろうにも、連絡先を知らないでしょう。
もちろん、警察に聞いても教えてくれません。
個人情報の上に、刑事事件の加害者に教えることはあり得ません。
そうなると、謝罪しようにも謝罪できません。
4 弁護士に依頼
弁護士なら、警察に電話し、弁護士限りで被害者様の連絡先を聞くことができます。
謝罪文の書き方も教えますし、添削もします。
謝罪文は、検察や裁判所に出しますので、重要です。
何より、被害者様にお読みいただいた上で、次の示談につながるものです。
「謝罪文を読んだけど、反省しているとは思えないので、示談しません。」となったら、そこで終わりです。
以上から、謝罪したいというお気持ちがございましたら、弁護士にご依頼いただくのがよいでしょう。
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