家族に迷惑をかけずに借金を減らす方法
1 状況によっては家族に迷惑をかけずに借金を減らすことができます
多重債務に陥っているなど、借金に関する問題を抱えた方の中には、家族に迷惑をかけたくないという思いから、誰にも相談できずに事態を悪化させてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、債務者の方の状況次第では、家族に負担をかけずに借金を減らせることもあります。
まず、家族が保証人になっていない場合や、家族も使用している財産(自宅や自動車)を保有していない場合、一般的には債務整理をしても家族に影響が及ぶことはないと考えられます。
家族が保証人である場合や、自宅や自動車をお持ちの場合であっても、家族に影響が及ぶことを回避できる可能性はあります。
以下、それぞれについて説明します。
2 家族が保証人になっている場合
家族が保証人になっている債務がある場合、任意整理であれば、家族に残債務の請求がなされることを回避できる可能性があります。
任意整理は、裁判所を通さずに貸金業者等と直接交渉し、返済条件を変更する手法です。
将来利息をカットできることが多いので、返済総額を減らすことができます。
個人再生、自己破産と異なり、対象とする債権者を選ぶことができるという特徴もあります。
家族が保証人になっている債務を債務整理の対象から外すことで、家族に支払い請求がなされることを回避することができます。
ただし、債務の総額が収入に比べて大きい場合など、個人再生や自己破産に方針変更をする可能性がある場合には、すべての債権者を対象として任意整理をするべきです。
弁護士に任意整理を依頼すると、対象の債権者への支払いを一旦止めることができますが、他の債権者への支払いは続けることになります。
その後、個人再生や自己破産に方針変更をすると、当初の債務額や収支の状況によっては、一部の債権者に対してのみ返済をしていた(偏頗弁済をした)という扱いになり、手続き上不利益が生じるためです。
3 自宅や自動車をお持ちの場合
住宅ローンや自動車ローンが残っていない場合、任意整理や個人再生を選択すれば、自宅や自動車が換価されることはありません。
ただし、個人再生を選択した場合には、保有財産の評価額が大きいと、返済金額が高くなることがあるため注意が必要です。
住宅ローン、自動車ローンが残っている場合であっても、上記2と同様に、任意整理であれば、これらの債務以外の債務を対象とすることで、自宅や自動車を失わずに済むことがあります。
また、個人再生を選択した場合であっても、住宅資金特別条項および別除権協定を利用できる条件を満たしていれば、住宅ローンが残っている自宅や自動車ローンが残っている自動車の担保権実行を回避できる可能性があります。